カジマートは昭和26年に創業、地域密着型のスーパーだ。金沢市武蔵町の百貨店『めいてつエムザ』にあるめいてつエムザ店、みなみ店など石川県に6店舗、福井県に1店舗を展開している。百貨店への出店は、ローカルスーパーとしては全国的にも珍しい。
創業者・鍛治与一氏が目指した、「本当においしいものを求めて日本中を訪ねまわり、身近でそれらが普通に買えるお店」というコンセプトは今も生きている。そのこだわりが競合店ひしめく中、遠くからもお客さんが足を運ぶスーパーとなっている。
商品開発にも特別のこだわりがある。従業員と一緒に試食を行い、全員が納得したものでないとケースには並ばない。高価値の商品づくりを目指すカジマートが必ず売れる餃子に着眼し、オリジナル餃子を開発した時もそうだった。惣菜は冷めてしまうのが宿命だが、味付けがしっかりしているので、冷めてもおいしいと評判だ。さらにタレもオリジナル餃子に合うものを選んでいる。
ここで働くシルバーの方は「これまでのスーパーの餃子は、中国産など材料に不安があったので、敬遠していましたが。カジマートの餃子はその点、安心で安全です。その上、おいしいので今ではカジマートの餃子をよく買っています」と作っている本人がファンとなっている。
当初は1日1000個を製造し、みなみ店のみで販売していたが、収支を分析した結果、利益率が非常に高い商品であることがわかった。デリカ商品の中で単品で利益が常に上位5位以内をキープ。社長命令で販売を強化、現在は4店舗で販売し2000個を製造している。
生産拡大のため餃子製造の専任スタッフとしてシルバー人材センターから2名を雇用している。誰でもスピーディーにできる東亜の小型餃子機だからこそ、人件費を抑え効率化をはかることができたと言えるだろう。
今後、全店での販売を目指し、冷凍餃子も再販する予定。将来はカジブランドの餃子として卸も検討している。